お料理は年4回、四季に応じて献立が変わります。
秋の献立は9〜11月です。
吸物より「鶏と鰹節のおだし」
先付を食べて動き出したお腹の中をじんわりと温めていただくために、山間ならではの旨味を堪能していただけるように野菜や鶏肉を贅沢に使い、鰹節の旨味を足した「おだし」に、季節の野菜と生姜の香りを加えた吸物をご用意しました。
蒸物替りより「柚子芋」
縄文後期には「稲」よりも先に日本で食べられていたという「里芋」。栃木では里芋に柚子を加えた味噌を塗り焼いた「いもぐし」が広く愛されています。栃木県北部では、田植えや稲刈りなど農作業の節目に行われる「オヒマチ」という慰労会で食べたり、「もちなし正月」という家訓を持っている家ではお餅の代わりに食べるなど、古くから地元に根ざした食材です。この優しい味わいを深みを加えるために酢と砂糖を煮詰めたもの(ガストリック)と醤油で炊いた豚肉に蒸した里芋とピュレ状にした里芋と味噌で調味した餡で召し上がっていただく一品に仕立てました。柚子皮の佃煮をアクセントにお召し上がりください。
揚物より「米粉揚げ」
野菜にとって「揚げる」という調理法は、野菜の水分が保たれたホクホク感と表面の衣のサクサク感が愉しめる素敵な調理法だと思います。瑞々しくて少しエグみのある秋野菜を米粉を使ったグルテンのない軽い衣で揚げた米粉揚をご用意しました。ミネラルが豊富で旨味のある藻塩でお召し上がりください。
煮物より「とちぎ和牛の淡煮」
すき焼きの美味しさを炊合せに仕立てた一品をご用意しました。とちぎ和牛の脂の旨さを感じる「サーロイン」と赤身の噛みしめる美味しさと楽しめる「もも肉」を甘さを控えたすき焼きの地で優しく火を通したものに、炊いた野菜を合わせました。
小菓子より「丁字のボーロ」
少しクセのある風味がありますが、古くは痛み止め等に使われ、抗菌作用や消化促進の効果がある「丁字(クローブ)」。漢方薬にも使われる丁字を使った焼き菓子を食後の「おくすり」代わりとしてお召し上がりください。