お料理便り|2023年06月06日(火)

2023年 夏のお献立より

 

前菜より「窯焼き蕃茄」

トマトを醤油と白胡麻油の漬け地に漬け込み、100度のオーブンで5時間ほど焼き上げて旨味を凝縮させました。実を吸い出すようにお召し上がりください。

 

 

吸物より「鶏と鰹節のおだし」

前菜を食べて動き出したお腹の中をじんわりと温めていただくために、山間ならではの旨味を堪能していただけるように野菜や鶏肉を贅沢に使い、鰹節の旨味を足した「おだし」に、季節の野菜とツルツルと口当たりのよい蒟蒻の麺を加えた吸物をご用意しました。

 

 

蒸物より「とりぎゆめポークの茄子餡かけ」

日本では奈良時代に高位の者への進物にナスの粕漬けが使われるなど千年以上にわたり栽培されている馴染み深い野菜の「茄子」。淡白でアクの強い野菜ですが、このアクが茄子らしいコクを感じさせます。油で揚げた茄子をなめらかなピュレ状にしたものを出汁と合わせた「茄子餡」を主役にした一品に仕上げました。「とちぎゆめポーク」の焦酢(ガストリック)煮と共にお召し上がりください。

 

 

揚物より「飛竜頭」

飛竜頭は戦国時代に伝わり、ポルトガル語に日本語の音を当てて感じで表記したものとされており、豆腐をすったものと野菜をあわせて揚げた精進料理として「がんもどき」の名前が馴染み深い料理です。今では身近な存在の豆腐ですが、江戸時代には農民に作ることを禁止するくらい贅沢品でした。そんな豆腐に一手間加えた飛竜頭はハレの日のごちそうだったそうです。今ではなんてことのない料理ですが、季節の野菜をいれた揚げたてアツアツは現代でも魅力的だと思います。

 

 

煮物より「とちぎ和牛の淡煮」

「とちぎ和牛」の甘みのある脂をさっぱりと召し上がっていただけるように塩味の鰹出汁で調理した、しゃぶしゃぶ仕立ての炊合せをご用意させていただきました。自家製ポン酢をご用意しておりますのでお好みでご利用ください。

 

 

小菓子より「丁字のボーロ」

胃腸を温め、抗菌作用や消化促進などに用いられる「丁字(クローブ)」。少しクセのある風味がありますが、漢方薬にも使われる丁字を使った焼き菓子を食後の「おくすり」代わりとしてお召し上がりください。

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