2023年 秋のお献立より

吸物より「地鶏と鰹節のおだし」

山間地の風味を活かし、新鮮な野菜と鶏肉を贅沢に使用した出汁に、鰹節の風味も加えることで、深みのあるおだしを作り上げました。季節の野菜と、なめらかな口当たりの蒟蒻の麺を組み合わせた、お腹の中が少しずつ温まってきた頃に、心地よく広がる旨味をお楽しみいただける吸物です。

 

蒸物より「柚子芋」

縄文後期において「稲」よりも先に食べられていたと言われているのが「里芋」です。特に栃木県では、里芋に柚子を加えた味噌を塗って焼いた「いもぐし」が広く愛されています。栃木県北部では「オヒマチ」と呼ばれる農作業の節目に行われる慰労会で里芋が食べられたり、一部の家庭では「もちなし正月」という家訓に従い、お餅の代わりに里芋が食べられてきました。この古くから地元に根ざした食材の優しい味わいをさらに深化させるため、酢と砂糖を煮詰めたもの(ガストリック)と醤油で炊いた豚肉、蒸した里芋、そしてピュレ状にした里芋と味噌で調味した餡を組み合わせて、「いもぐし」を参考にした料理をご用意しました。柚子皮の佃煮をアクセントにお召し上がりください。

 

揚物より「飛竜頭」

飛竜頭とは、戦国時代に伝わった料理で、その名前はポルトガル語の音を当てて感じで表記したものだとされています。この料理は、豆腐をすり潰して野菜と混ぜ、揚げた精進料理の一種で「がんもどき」として馴染み深い料理です。豆腐は現在では身近な存在ですが、江戸時代には農民が作ることを禁止されるほどの贅沢品でした。そんな貴重な豆腐に一手間加えた飛竜頭は、特別な日のごちそうとして親しまれていました。今でも季節の野菜を加えて揚げたてアツアツの飛竜頭は、現代でも魅力的な一品だと思います。

 

煮物より「とちぎ和牛のすき焼き仕立て」

とちぎ和牛の脂の美味しいサーロインと旨味豊かな赤身肉の2種類を使用し、伝統的なすき焼きの風味を炊合せに取り入れた煮物です。とちぎ和牛の脂の豊かな旨さを感じられる「サーロイン」と、しっかりとした噛みごたえのある「もも肉」の赤身を控えめな甘さのすき焼きの地で優しく火を通した肉と炊き上げた野菜をお召し上がりください。

 

小菓子より「丁字のボーロ」

胃腸の健康促進や抗菌効果、さらには消化を助けるために、古くから漢方薬にも利用される「丁字(クローブ)」を使った焼き菓子をご用意しました。独特の風味がありますが、胃腸を温める「おくすり」代わりとして、食事の締めくくりにお召し上がりください。

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2023年09月07日(木)|お料理便り