お料理便り|2024年12月10日(火)

2024年 冬の献立より

 

前菜

冬の山間で育まれた旬の食材を使い、少量多品目で仕上げた盛り合わせです。胡桃とおからをマスカルポーネチーズで和えた胡桃と卯の花峰岡和え、菊菜と白菜のおひたし、ガストリックと醤油で炊いた鶏の焦酢煮など、冬の滋味をお楽しみください。

 

 

吸物「鶏と鰹節のおだし」

山間地の豊な自然に育まれた野菜と、昔、山鶏を使った汁物が滋養豊かなご馳走とされていた背景を踏まえ、鶏肉を用いて丁寧に引いた出汁に鰹節の香りを重ね、白菜のすり流しに仕立てました。滑らかな蒟蒻麺と菜花を添え、体を温める深い旨味をお楽しみいただける一椀です。

 

 

蒸物「霙蒸し」

「古事記」に清白(すずしろ)の名で記され、日本人の食生活に欠かせない「大根」。ビタミンCが豊富で、冬に瑞々しく旨味が増すこの大根を、栃木の郷土料理「しもつかれ」で使う鬼おろしで荒くすりおろし、蒸し焼きにしました。栃木県産の豚肉を半日じっくりと清正人参(セロリ)の風味を効かせて炊いた清正煮と合わせ、煮汁を餡に仕立てて仕上げた一品です。

 

 

揚物「飛竜頭」

「飛竜頭(がんもどき)」は戦国時代に伝わったとされる精進料理で、江戸時代には豆腐が貴重で農民には製造が禁じられ、裕福な階層の特別なごちそうとして親しまれてきました。現代では身近な料理となりましたが、本日の飛竜頭にはフカヒレを加え、外はカリッと、中はふんわりとした食感とともに、フカヒレならではの心地よい食感をお楽しみいただけます。

 

 

煮物「とちぎ和牛の淡煮」

とちぎ和牛の美味しいサーロインと旨味豊かな赤身肉の2種類を使用し、塩味の鰹出汁で調理した「しゃぶしゃぶ仕立て」の煮物をご用意しました。とちぎ和牛の脂の豊かな旨さを感じられる「サーロイン」と、しっかりした噛みごたえのある「もも肉」の赤身を自家製の胡麻ダレをお好みで合わせてお召し上がりください。

 

 

かて飯「五目御飯」

栃木県の五目御飯は、かんぴょうや人参、ごぼうなど、多彩な具材を用いた混ぜご飯です。特に、かんぴょうは日本の生産量の99%以上を栃木県が占める特産品であり、五目ご飯には欠かせない存在です。祭りや農家の休日など、特別な日に作られることが多く、華やかな一品として親しまれてきました。素朴でありながらも心温まる味わいを、ぜひお楽しみください。

 

 

小菓子「丁字のボーロ」

胃腸の健康促進や抗菌効果、さらには消化を助けるために古くから漢方薬にも利用される「丁字(クローブ)」を使った焼き菓子をご用意しました。独特の風味がありますが、胃腸を温める「おくすり」代わりとして、食事の締めくくりにお召し上がりください。

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